今回の通院で一番、もやが晴れたような感覚になれたのが、先生から改めて抑うつの症状について説明をしてもらえたことだった。
休職に入る時と同様、復帰するためにも診断書が要る。
診断書というのは非常に淡白なもので、だいたい二言くらいで終わる。
コロナ禍で産業医の出てくる幕もなかったので、自分の症状や状況を上司や総務に説明するには、自分の口から話すしかなかった。
「ご自分で説明できそうですか?」
と先生が聞いてくれたので、正直に「不安です」と言った。
休職前に、上司や同僚に"心の病気"と受け取られた感じがして、それがどうも引っかかっていて…
よく、うつ病は心の風邪とかって言われていますけど、どうもしっくりきません。何て説明するのが適切ですかね…?
などとごにょごにょしていると、先生は
「私は"脳の骨折"って言ってますよ」。
脳の骨折。
先生の説明を自分なりに解釈したところ
①超簡単に言うと、脳を酷使したせいで省エネモードになってしまう病気
(その原因が心因性のストレスだったりする、こともあるからまた"心の病気"とか言われがちだけど、違う。)
②脳は生きるための最小限しか動けなくなるので、必要な分泌物が出なくなったり、物を考える・感情を制御するといったところまでエネルギーが回らなくなる
③その結果、(前にも書いた)判断能力の低下、気分障害、意欲低下、などが(副次的に)起きる
ということらしい。
どうも世の中では③ばかりが取り沙汰されて、うつ病ってこういう病気!と思われがちだけど、③はあくまで②によるもらい事故であり、病気の正体そのものは①である、と。
そしてなぜ"骨折"と表現するかというと、
・治療の第一は休養の時間をとること(時間が経たないと骨はつながらない)
・治療法を間違えるとどんどん悪化する(折れた骨を無理やりくっつけようとすると変なところで骨接ぎするように)
ことを例えての表現だという。
あっぱれ。
これを聞いて、自分の病気に対する後ろめたさがぐんと減った。
どうかこの概念が世の中に、せめて苦しんでいる当事者にだけでも、早く広まってほしい。
放っとくとどんどん複雑に折れちゃうよ~。
でもきちんと休めばちゃんと元通りくっつくよ~。
今なら自信を持って言える。誰に何を言われても平気。
このように病気に対する理解が深まったという面でも、(きっかけはパニック障害だったとはいえ)
早期から信頼できる先生にきちんと見てもらえた自分は本当に恵まれていたと思う。
通院、まじ大事。
復職後は、治まっていたパニックの症状が再び出やすくなるから、そのつもりで安定剤を持ち歩いてくださいねと言われた。
そして注意力も創造性も落ちているから、今までしなかったようなミスをするし、何かを考えようとしても思うようにアイデアが浮かばないことがあると思います、とも。
職場に迷惑をかけながら少しずつ復帰することになる。
それでも、「穴をあけて申し訳ない」「みんなに負担を押し付けてしまった」という罪悪感で苦しんだ1か月よりは、ずっとましだ。
そう思うだけで頑張れる気がする。