明るいうつ病患者の休み方

失敗記録とその言い訳集(?)。パニック障害・抑うつの症状と治療法については素人知識です。

飲んでいる薬と「神のカルマ」

大学の専攻が心理学だったからというのもあって、健康な頃から精神疾患に関心があったのだけれど、
こと「うつ病」に対して長らく興味を持っていたもうひとつの理由として、
中学生の頃から大好きなバンド、syrup16gの影響が相当に大きい。

ご存じない方のために紹介すると、
中心人物が恐らくうつ病か、何らかの精神疾患のある人で、
それとは関係なく、音楽が素晴らしく美しいので大好きだった。解散ライブにも行った。

syrup16gの曲名に「空をなくす」というのがある。
これは彼が服用している(していた?)抗不安薬、「ソラナックス」から来ている。

同じく「デイパス」は、抗うつ剤デパス」から。

というのはwikipediaにも載っている、ファンの間では有名な話だ。

 

多くの曲の歌詞には、罹患者にしか見えないであろう世界が描かれていて、
健康だった少女(ワタシ)には「ふーん」としか思えないものばかりだった。当然ながら。

それが、今なら分かる。
おいおい五十嵐さんよ、アンタこんな状態であんな数百曲も書いてたの?
しかもステージに立ってたわけ?

信じられない。

彼にパニックがあるのかあったのかは知らないけど、
生きてるだけで恐怖と戦っている人、が作品を生み出すこと、人前に立つことの凄まじさが、今なら分かる。

 

これも有名な話で、「神のカルマ」という曲の最後に、
レンタルビデオ屋で何を借りるか決められなくて2時間立ち尽くす
というような歌詞がある。
このフレーズが示していることのヤバさ、というのが一時期ファンの間で話題になった(気がする)。

健康な高校生だった私にはこの歌詞の意味はもちろん分からず、何かの比喩かな?くらいに思っていたくらいで、ファンたちが騒いでいた一連の流れも全然理解できなかった。

けど、今なら分かる。

うつ病になると、判断ができなくなる。
それを今、身をもって感じている。

"判断"については次の記事に書くことにして、

syrupファンの私は、最悪かもしれないけど、心療内科に通い始めることになった時は
「おー五十嵐ちゃんみたいだな」
と思ってちょっと気が休まったし、
毎日ソラナックスを飲むときも、
「五十嵐ちゃんと一緒のやつ」と思うだけで少し気分が楽になる。

だから何なんだという感じだけど、何でもない。
ただ精神疾患に対して悪いイメージを持っていないのは、彼のおかげである部分が大きい。