これまでも触れてきたが、ここ2年ほど「自分は恐らくアスペルガーだ」と思うようになった。
思うことで生き長らえてきた。
自閉症スペクトラムはスペクトラムという言葉通り、ここから先はアスペルガー!これ未満は定型!という白黒的区別がなく、
段階的にグラデーション的に特徴が出るものである。
というのを大学で学んだ。
27歳くらいまで自分がアスペルガーだなんて思いもしなかったけれど、
"大人の発達障害"なるフレーズが流行り(?)だしてきたこと、
そして会社に勤務していて、「人にできて自分にできないことが多い」と感じる日々が増えたことで、
そうか。自分はアスペルガーに違いない!と考えるようになった。
人にできて自分にできないことというのが、
①マルチタスキング
②細かい部分に固執することによる作業の遅さ
③急な変更に対応できない、テンパる
④モノの整理整頓
主にこの4つ。
ただし、「空気が読めない発言をする」「対人関係に難がある」などは全然当てはまらないし
(第一、HSPとアスペルガーが両立することなんてあり得るんだろうか)
①~④のことなんて、誰にでも起きることでもある。
それってただの仕事のできない人なんじゃないの?
という(主に自分からの)ツッコミを跳ね返す盾として、「自分はアスペルガーに違いない!」と勝手に思い込むようにした。
すると急に、すーっと心が軽くなった。
もちろん診断は受けていない。思い込んだだけである。
知人にこの話をしたら、
「あー、いるよねそういう人。できないことの理由を探す人。セルフ・ハンディキャッピングじゃん」
と一蹴された。
言われた瞬間はめちゃくちゃ腹が立ったが、ぶっちゃけその通りなので何も言えなかった。
現にツイッターなどを見ていると、「自分を発達障害だと思い込んでる奴の8割はただの定型の使えないバカ」などなど辛辣な言葉がいくつも並んでいて、
「自分で分かってるんだから言うなー!!!」とミキのお兄ちゃんのように叫びたくなる。
でも、もし私のように「自分は使えない」「能力がない」という仮説に向き合うのが恐ろしくて気が狂いそうな人は、
診断なんて受けなくていいから、
「そうか!自分は発達障害なんだ!」
と一度思い込むだけで、かなり救われると思う。自分で自分を救ってあげられる。
なので、繊細な皆様にはおすすめの方法です。
…
というような思いを、パニック/抑うつで通院の途中でさりげなく先生に話してみた。
「私、たぶんアスペルガーだと思うんですけど、検査とかってできるんですか?」
すると先生は微笑みながら、できますよ。できますけど、それは元気になってからすることですから。今の状態だと多分、正しい結果が出ません。
と言った。
いつか検査を受ける日が来て、アスペルガーでないと診断されたとしたら、
自分を守ってきた大切な盾を失うことを意味するので、けっこう恐ろしい。
ただこの話には後日談がある。
ある発達障害当事者の方のツイッターに
「働き始めてから自分が発達障害じゃないかと疑っている人は、仕事や職場のストレスから軽い抑うつになって、判断能力が落ちているだけという可能性が高いと思う」
というような内容が書いてあるのを読んで、目から鱗だった。
それを読んだ後に本当に抑うつと診断されたので、なおさら説得力を増し、
アスペルガーでも違ってもどっちでもいいや、とりあえず病気だったんだからしょうがないね~
と思えるようになった。
もう自分を責めるのはやめにしよう。(ぺこぱ大好き)
心の氷塊が溶けていくような、妙な安心感があったのを覚えている。