人はなかなか言われることのない褒め言葉に執着したり渇望したりするというのは本当だろうか。
だいたい15年くらい生きてきた時点で、世間での自分の立ち位置が分かってくる。
頭がいい方だな、話がうまい方だな、人に好かれにくい方だな、顔がきれいな方だな、おしゃれのセンスがある方だな、歌がうまいんだな、などなど。
15年くらい経っても2回とか3回しか言われることのなかった褒め言葉は、だいたいその時点で自分の人生とは無縁の言葉と判断する、のが普通だと思う。
諦めるというと大げさで、ただ単純に、受け入れる。
そんな中でもたとえば人生25年目で一念発起して、会う人会う人に絶対美人だと言われたいと願える人は、その時点で相当強い。
実質的に顔がきれいだということより、その精神の強さは誇るべきものがある。
…とここで顔の話を例に挙げたのも、自分のコンプレックスの裏返しなのかもしれない。
今まで生きてきた感覚で自分が美人でも可愛くもないことはとっくに知ってるので、たとえばバーとかで友達2人でいて相方だけちやほやされていても、(多少しょんぼりはするけど)今更驚かない。
逆に、「頭いいね」「話めっちゃ面白いね」あたりはどうかというと、めちゃくちゃ言われる。
と同時に自分の頭がいいことも、話が面白いことも自分でとっくに知ってるので、褒めてもらっても「あーよく言われます」くらいにしか思わない。
(自分より実力がめちゃ上な人に言われたらそりゃあ、嬉しいけど)
では一体自分は何て言われたら嬉しいんだろう。
人に何て褒めたら喜んでもらえるんだろう。
難しい問題である。
今のところ私が言われて一番嬉しい言葉は「人と違うね」である。