転職して2週間が経った。
まだ先輩の手伝いとかしかやってないし全然忙しくないけど、忙しくなさを軽く凌駕する、
転職してよかった〜!
と思える点が2つある。
ひとつは単純で、デカい組織に入ってひっそり仕事をできること。
組織がデカすぎて知らない人だらけだし、誰も私のことを知らない。誰からも期待されていない。
もちろんこの立場から出世なんてすることは、100%ありえない。ずっとこのまま、平穏に淡々と仕事をこなすだけ。
これがどんなに気が楽なことか、すでに感動している。
辞めた小さな会社では常に人に見られていて、評価されなければ気に病み、不満が溜まり、偉くなれない、なれないと悶々として、ずっと悔しかった。
今はそれが一切ない。穏やかだ。
そしてふたつめは、扱っている仕事のテーマに全く興味がない点である。
前職ではひとつひとつの仕事に思い入れを持ちすぎて、魂を込めすぎていた。
魂を削って作品をつくっていた。
だからそれが評価されれば、自分という人間そのものが賞賛されたかのように嬉しかったし、評価されなければ人格を否定されたような気持ちになっていた。
つまりは仕事にのめり込みすぎていたのだ。そりゃ病気にもなる。
今は違う。なんの興味も持っていないテーマを、仕事として淡々黙々と、ただこなす。
すると心が波打たなくて済む。人格は登場する場面がない。
仕事中の自分を"本来の自分"ときちんと切り離して考えることができるようになった。
たった2週間で。
お給料は下がったし待遇もよくないけど、たったこの2つの意義だけで、転職して本当によかったと思う。